VOL.34
男性ホルモンが高いとインフル予防接種の効果がでにくい
 
インフルエンザワクチンは男性よりも、女性に高い効果を発揮する。
男性ホルモンであるテストステロンの分泌量が多い男性は、免疫反応が抑制されている。
これは、米スタンフォード大学、フランス国立保健医学研究所などの研究者からなる
研究チームが2013年12月23日、米科学アカデミー紀要に発表した。

一般に若い男性は女性に比べて、細菌やウイルスに感染しやすい。
また、男性は、女性ほど、黄熱病やはしか、肝炎などのワクチンの効果が上がらないことは、
以前から知られていたが、その理由については明確になっていなかった。

研究チームは、20〜89歳までの男性34人、女性53人を対象として、
2008〜2009年のインフルエンザシーズンに、インフルエンザ免疫反応に関する研究を行った。
その結果、A型のH1N1亜型、H3N2亜型、B型のインフルエンザワクチンに対する免疫反応では、
H3N2型とB型は男性の方が弱く、H1N1型は男女に差は見られなかった。
そして、免疫反応が弱い男性は、テストステロン値が高く、
テストステロン値が低い男性の免疫反応は、女性と同程度だったという。

これまでの研究により、テストステロンには抗炎症作用があることが確認されているが、
今回の研究によると、テストステロンは、直接的に免疫応答を抑制するのではなく、
脂質代謝に関わる遺伝子などからなる“Module 052”と呼ばれる遺伝子群の活性化によって、
間接的に免疫応答を抑制することが確認されている。

多くの男性は、女性よりも、負傷しやすい環境にいることが多く、
結果として感染症に罹患しやすいともいえる。
またテストステロンが高いと、リスクをとりたがる傾向も加わり、感染リスクも高まる。
これらの感染症に対応できる免疫系の、進化論的な優位性はあるが、
反応が過剰になると、免疫自体が危険になることもある。
それ故に、免疫反応のより弱い男性の方が生存に適していたのかもしれないと、
研究チームは述べている。
Systems analysis of sex differences reveals an immunosuppressive role for testosterone in the response to influenza vaccination
 
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