VOL.23
睡眠不足はテストステロン低下につながる!
 
睡眠不足が続くと、テストステロンレベルが下がる。
これは、
American Medical Association(JAMA), June 1, 2011に発表された研究結果だ。

テストステロンは、男性の性行動と生殖に関与すると共に、
筋肉量とその強さ、肥満、骨密度、活力、および幸福感に影響を与える。
テストステロンは、主に睡眠中に分泌され、
睡眠障害や睡眠時無呼吸症候群の場合、テストステロンレベルが低下すると
言われている。
中高年男性は特に、
朝のテストステロンレベルは睡眠時間によって左右される。
そこで、若い健康な男性10人の1週間の睡眠制限による
テストステロンレベルへの影響を調査したところ、
睡眠を制限した場合、たった1週間という短い期間で
15%のテストステロン低下がみられたという。

まず、自宅で8時間睡眠(午後11時から午前7時までの)の
1週間を過ごしてもらう。その後、実験室で11日間過ごしてもらうのだが、
最初の3日間は10時間睡眠(午後10時から午前8時)、
その後の8日間は5時間(午前12:30から午前5:30)に、
睡眠を制限してもらった。
睡眠状態は、ステージ1、2、3、4とレム睡眠(REM)に区分して
毎晩記録した。
10時間の睡眠充足期間と5時間睡眠不足期間のそれぞれ最終日24時間に、
15〜30分毎に血液を採取した。
血液サンプルは、総テストステロンとコルチゾールを
immuno chemiluminescentで分析した。

この試験はシカゴ大学倫理審査委員会によって承認されたもので、
被験者はキャンパス周辺に掲示したポスターで集めた。
除外基準は内分泌腺、および精神的な異常、就寝時間が不規則な人、
および睡眠障害のある人とした。
28人からの書面によるインフォームド・コンセントを得たうち、
10人の男性が、スクリーニングに合格し被験者となった。
研究期間は、2003年1月から2009年9月の間に行われた。
サンプルサイズは、睡眠制限によるホルモンへの影響に関する
先行研究からデータを解析して決定した。

10人の健常男性の平均年齢は24.3(±4.3)歳、
BMI(体重2÷身長)は23.5(±2.4)であった。
睡眠制限によって、総睡眠時間は、
8時間55分(±35分)から4時間48分(±6分)まで減少した(p=0.002)。
テストステロンレベルの低下は、どちらの条件下でも、
午後2時から午後10時の間で特に顕著だった(p=0.02)。
昼間のコルチゾールは両方の条件下で同様だった。
活力スコアは、睡眠制限に関連し、7日目の夜には初日に比べて、
28(±5)から19(±7)へと、段階的に減少した(p=0.002)。

通常、テストステロンレベルは、
老化によって毎年1〜2%減少すると言われているが、
5時間という睡眠時間を制限された状態で、10〜15%の減少がみられた。
つまり、5時間睡眠ではたった1週間でも
10〜15歳も老化した状態になってしまうということだ。
テストステロンの減少は、活力度の低下に関連するが、
ストレス反応ホルモンであるコルチゾールの増加には関連しなかった。
低エネルギー状態を含む、アンドロゲンの欠乏は、性欲減退、集中力不足、
および眠気を促すが、これらはすべて、睡眠不足で起きるものかもしれない。

米国労働人口の少なくとも15%は、睡眠不足だと言われている。
また、OECDの調査結果(2009年)によると、
最も良く眠るのがフランス人で平均9時間、
最も短いのが日本と韓国の8時間だという。

睡眠不足の脳では、覚醒中でも一種の居眠り状態を引き起こしていることが、
ラットの研究でも明らかになっている。
しかも睡眠不足の状態では、ミスを生じやすいという結果も出ている。

健康はもちろん、人生の成功の鍵も、充分な睡眠にあるのかもしれない。
Effect of 1 Week of Sleep Restriction on Testosterone Levels in Young Healthy Men
Local sleep in awake rats
 
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