VOL.18
夜光メタボ
 
夜の明るさが肥満につながる、という研究結果が発表された。

オハイオ州立大学の Randy Nelsonらの研究者グループが、
マウスを使って行った研究によると、
食べる量や活動量に関係なく、夜に光を浴びると肥満につながることが示唆された。
また、夜、薄明かりにさらされたマウスは、夜暗い環境にいるマウスに比べて、
体重の増加率が高かった。

この研究は、150ルクスで16時間、5ルクスで8時間という夜でも薄明かりにおかれたマウスと、
150ルクスで16時間、暗闇で8時間という夜は暗い通常の環境においたマウスと、
昼も夜も150ルクスの明るさにさらされたマウスを比べたもの。
どのグループのマウスも食事の量、活動量で差はなかったが、
薄明かりのマウスと常時明るい環境のマウスは、夜は暗い環境のマウスに比べて
体重の増加が有意に大きく、耐糖能異常もみられた。

一方、夜、暗い環境にいるマウスが、日中の明るい環境の中で摂った食事量は、
全体の36.5%だったのに対し、
夜も薄明りの環境にいるマウスが日中に食べる量は全体の55.5%だった。

そこで、食べる時間が体重増加に大きくかかわっていると仮定し、
夜暗い環境と夜も薄明かりのある環境に分け、
マウスが食べ物にアクセスできる時間を制限して実験を行った。
その結果、普段活動している時間だけに食物を摂取した場合では、
夜も明るい環境におかれたマウスでも 体重の増加幅は変わらなかった。

代謝に関与するホルモンをみてみると、コルチコステロンは、
夜、薄明かりいるマウスよりも、夜も明るい環境にいるマウスのほうが低下した。
この結果から、グルココルチコイド濃度が
メタボへと進む重要な要素ではない可能性も示唆される一方で、
暗い状態での食餌量は、明るさに関係なく増加していた。
グルココルチコイド濃度は体重に関与するため、明るさの条件が食餌量、
ついてはグルココルチコイド量に影響を及ぼしているとも考えられる。

また、メラトニンはサーカーディアンリズムに関与することから、
メラトニンが体重増加に関与している可能性もある。
いずれにしても、夜の明かりが食餌や活動などで活発となる
メラトニン作用を制御する体内時計遺伝子の発現を乱すことにもなるであろう。

「夜の明かりは、人々が予期せぬところで、社会的な肥満増加に関する
環境因子のひとつなのかもしれません」とNelson教授は語っている。



Light at night increases body mass by shifting the time of food intake.
 
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