VOL.15
楽観的な人は長生き
 
物事を楽観的にとらえる人は、悲観的にとらえる人より、やはり長生きのようだ。

1991-1992年にオランダでスタートしたコホート研究では、999名の男女(65〜85歳)に、主観的幸福感(the Dutch Scale of Subjective Well-being for Older Persons (SSWO))、健康、自尊心、モラル、楽観性評価、つきあいの5項目をきき、9年間の追跡調査を行った。

また、1985年から2000年までの15年間に4回の調査を行った、異なるオランダの研究では、64〜84歳の男性887人に、「人 生に多くを期待する」「今後の自分の人生に何が起こるか楽しみだ」「日々はゆっくりと過ぎていく」「将来に向けた計画はまだたくさんある」の4つを質問し、楽観的な気質をみた。

楽観性の評価には、物事の解釈の仕方が楽観的かどうか(楽観的説明スタイル)を調べる方法と、気性が楽観的かどうか (属性的楽観性)を調べる、大きく異なる2つの方法がある。これらの研究は、肯定的な将来予測ができるかどうかに基づく評価が可能な、属性的楽観性を用いて評価している。

その結果、高齢者の楽観性と死亡率との間には関係があり、楽観的だと心血管死のリスクも半分であった。また、楽観性による寿命への影響は、女性よりも男性の方が強かった。

楽観性と寿命について、7007名のノースカロライナ大学の大学生を40年間追跡調査した研究もある。評価には、Optimism-Pessimism (PSM) scaleを用いた。この研究でも同様に、楽観性の高い人ほど長生きする、という結果が出ている。

楽観性が 高い人ほど社会的な支援を自ら積極的に求め、たとえ心血管疾患を発症した後も治療に励み、リハビリのための運動も確実に行うからではないか、と筆者は述べている。

また、悲観性を心血管死の危険因子に加えるべきだという意見もあるが、楽観性を高めることによって心血管死のリスクを減らせるかどうかは、今後の研究で明らかになるだろう。

一方、幸福感は感謝する心をもつほどに増す、という研究結果も出ている。

いくつになっても、未来に希望を持ち、全てに感謝する心を持つことが、長寿の秘訣の一つなのかもしれない。
Dispositional Optimism and All-Cause and Cardiovascular Mortality in a Prospective Cohort of Elderly Dutch Men and Women
Prediction of all-cause mortality by the Minnesota Multiphasic Personality Inventory Optimism-Pessimism Scale scores
 
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