中高年ヘルスケアセミナー −男性ハツラツの秘訣−
掲載日 2010-03-23

中高年ヘルスケアセミナー
「泌尿器専門医に聞くー近ごろあれっ?−と思う方のために」男性ハツラツの秘訣
というタイトルで、セミナーが開催されました。
当日は、雪が降る中、会場には多くの方が参加されました。

日時:2010/02/13(土) 13:30-14:30
場所:新宿明治安田生命ホール

講演内容:

皆さんは、男性と女性では、どちらが元気だと思われますでしょうか。「男性と女性のどちらが元気?」という佐賀県で行ったアンケートによると、アンケートの中の5つの項目で、全ての年代で女性が元気という結果が出ています。「心から笑えますか?」という質問では、50代で男女の差がはっきり出ていますし、自分の役割があるか、という質問では女性は年齢が上がるにつれてYesが増えているのに比べて、50代男性ではYesが減っています。また、肥満の割合をみてみると、男性の場合、全ての年齢において高くなっていますが、反対に女性は全ての年齢で低くなっています。いかに女性が健康の意識が高いかがわかります。

この健康のカギになるのがホルモンです。「テストステロン」という男性ホルモンは、血管を健康にし、コレステロールなどにも関与しています。また、覚えたり、判断したりという認知機能にも関わります。男性ホルモンは男性だけに働くわけではありません。女性ホルモンは男性ホルモンからつくられ、女性の体内では脂肪や副腎から作られます。

男性ホルモンは、社会との関わりが強いホルモンであり、冒険心やチャレンジ精神にも関与します。また、競争すると出てくるので、囲碁、マージャン、ゴルフなどをやると出てきます。よく、男の子は褒めて育てろといいますが、Winner Effect=勝利のスパイラル、といって、成功体験があるとさらに男性ホルモンの分泌が増え、それが自信につながり、また成功を導く、というように良い循環がうまれます。

男性ホルモンは女性には少ないといわれてきましたが、“PNAS”に掲載されたグラフに示されているように、男性ホルモンの多い女性は、少ない男性よりも数値が高くなっています。女性の上位3分の1くらいの人は、男性に匹敵するくらいの男性ホルモン値があります。

男性ホルモンが特に高い人はどのような人でしょうか。例えば、政治家や音楽家など、自分の考えを強く表現する職業に多いのです。ミックジャガー、小泉元首相など、男性ホルモンが高そうですね。これには科学的な裏づけがあり、顔の長い人はホルモンが高いのです。また、薬指が人指し指より長い人も、男性ホルモンが高いという結果も出ています。

「エストロゲン」というホルモンは、女性ホルモンの一種ですが、体内では、男性ホルモンである、テストステロンからつくられるため、男性の体内でも働いています。また、女性で生理がなくなった方は、男性ホルモンからつくられます。このホルモンは、社会性、ネットワークに関与し、同時にいろいろなことができてしまうのもこのホルモンの働きによります。また、言葉の能力が達者で、利他行動にも関与しています。

また、脳下垂体から指令が出る脳内ホルモンは、バソプレシン、オキシトシンなどがあります。バソプレシンは、尿を濃くするホルモンですが、テリトリー(縄張り)や忠誠心に関与しています。オキシトシンは、授乳のときに出るホルモンで、他人への思いやりや信頼にも関与します。

我々は、テストステロンがどのようなことの関与するのかを、幅広く健康な人で調査をしていますが、それによると、口腔機能、気分・意欲、うつ、満足感などに関与していることがわかってきました。また、ケンブリッジ大学の調査によると、ホルモンの高いトレーダーは儲けも大きかった、という報告を出しています。ただし、テストステロンが高すぎると、いけいけどんどんになりやすく、個よりも大義を優先し、痛みがあってもあまり感じなくなったりします。反対にテストステロンが下がると、意欲が低下し、チャレンジができなくなります。何をするにもおっくうになり、からだのあちらこちらに痛みが生じてきます。このような症状は男性更年期といわれ、女性の更年期と違って、なる人とならない人がいますし、また、いつ発症しいつ改善するのかも全くわかりません。

テストステロンは年齢によって減ってきますが、東京のサラリーマンのホルモン値を測定したところ、驚くべきことに、40-50代は60代より低くなっていました。ホルモンは寝ている間に出てきますから、良い睡眠が重要となります。テストステロンが減少すると様々な症状が出てきますし、高齢者では、テストステロンが低いと死亡率が高くなるという結果もあります。テストステロンは、椅子から立ち上がる、ジグザグに歩く、など身体機能にも関与しています。また、テストステロンが減ると内臓脂肪がつきやすくなりますから、テストステロンが低い人はメタボのリスクが3倍になります。

このようにテストステロンが低くなると、いろいろな病気にかかりやすくなり、ハツラツ度が減ります。ホルモンが減る原因の一つにストレスがありますが、これは、ストレスがあると、視床下部からのホルモン分泌の指令が出なくなるためです。このように、ハツラツ度によってテストステロンは保たれているのです。40歳以上の人は特に、リラクゼーションを積極的に行うことが重要でしょう。

赤い色は男性を元気にします。「赤」は男性ホルモンを分泌させるきっかけになります。運動も重要で、運動することによってテストステロンが分泌される、という結果もでています。また男性ホルモン分泌には「アンチエイジング」とも関与しています。アンチエイジングとはさびないことですが、酸化ストレスの大きな原因は、交感神経です。酸化ストレスには、活性酸素が関与していますが、活性酸素を減らす方法は、今のところ、カロリーを減らすことが最も有効と言われています。腹七分目くらいがよいですね。

活性酸素の影響を調べるには、男性では、早朝勃起の有無をみることが、手っとり早い方法です。EDは血管老化の現われです。40歳以上では4割の方がEDだという結果もありますが、EDは下半身の問題だけでなく、体の異常の前兆を知らせてくれる重要な健康サインなのです。

体のさびに対処するには、いろいろな食べ物を食べることです。抗酸化には、いろいろな種類の食べ物を食べることが重要です。EDに用いられる“PDE-5阻害剤”というお薬は、血管を広げる作用があります。我々の研究室が調べたところ、PDE-5阻害剤を6週間、週1回服用すると、酸化ストレスを示す8OHdGの数値が1/3に減り、テストステロン値は2倍に増えていました。

テストステロンを高めるには、仲間や友達を大事にすることです。また、体をさびさせないようにするには、適度な運動と、旬の様々な食材を少しずつ食べ、そして、食べ過ぎないことが重要です。健康法にはいろいろありますが、人生を楽しくハツラツと過ごすことも健康法の一つと言えます。そして、男性の重要な健康サインであるEDを諦めず、恐れないことです。

         [文責:UROLOGIST編集部]


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